前作『ピース・アンド・ノイズ』でその存在感を見せつけたパティ・スミスの2年半ぶりのニュー・アルバムだ。1972年デビュー以来一貫したエキセンティリックなヴォーカルは本作でも健在だ。
・ amazon music : Patti Smith 08. Gung Ho (2000) : ガン・ホー
心を揺さぶるギター・ロック先行シングル(7)を初めて耳にした時、素直に感動した。ギター・ソロを披露しているのは、パティ・スミスとともにニューヨーク・パンク・ムーヴメントを興した元テレヴィジョンのトム・ヴァーレイン。が、このことは別にどうでもいい。僕は、音楽そのものに感動したのだから。この(7)は、3分ジャストのギター・ロック。曲の構造はシンプルだが、この簡潔さこそがロックンロールの真髄。言葉をたたみかけるパティの歌をはじめ、すべての音の響きが凛としていて美しい。個人的には、本作のベスト・トラックである。帝国主義に抵抗した兵士をテーマにした(13)を含むこの新作のタイトルは、第二次世界大戦時の米国の海兵隊のスローガンで、“熱意”を意味する。音楽的には、英国のトラッド風味やエキゾティックなメロディが耳に引っかかる。もっとも、最大の魅力は、パティとレニー・ケイ率いる4ピースのバンドが奏でるシンプルな音楽自体の説得力だ。 (渡辺亨) — 2000年05月号 「CDジャーナル・レビュー」
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ディスク:1
1. One Voice
2. Lo and Beholden
3. Boy Cried Wolf
4. Persuasion
5. Gone Pie
6. China Bird
7. Glitter In Their Eyes
8. Strange Messengers
9. Grateful
10. Upright Come
11. New Party
12. Libbie’s Song
13. Gung Ho