ギンズバークとバロウズへの追悼も含めた新作は,来日公演時と同メンバーによるバックアップで,スタジオ・ライヴ風に作られている。社会的なメッセージは当然個人と個人を結びつけるとう当然の連鎖を祈るように歌うパティは再び頼もしい存在だ。

 ・ amazon music : Patti Smith 07. Peace and Noise (1997) : ピース・アンド・ノイズ

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最愛の夫や弟、友人など何人もの愛する人々の死を乗り越え、再び歌い出したパティ・スミス。前作『ゴーン・アゲイン』は、パティの死者に対する思いが生きることへの希望として昇華され、なおかつ深く澄み切った音楽として結晶化された感動作だった。そんな前作から約1年ぶりに届けられたこの新作は、彼女の完全復活を強く印象づける佳作だ。今回も良き理解者であるギタリストのレニー・ケイの協力を仰ぎ、必要最少限の音で歌とポエトリー・リーディングの背景を構築。パティの声は凛とした美を宿しており、あらゆる困難に真っ向から対峙し、なおかつ乗り越えていくという強い意志が伝わってくる。圧巻は、彼女のポエトリー・リーディングとバンドの演奏が高いレベルで拮抗している(9)。この曲におけるパティのパフォーマンスは、まさに言霊を呼び起こしているような感じで、鬼気迫るものがある。(10)にはR.E.M.のマイケル・スタイプが参加。パティ・スミスは、20年前よりずっと凛々しく美しい。 (渡辺亨) — 1997年11月号「CDジャーナル・レビュー」

ディスク:1
1. Prayer Meeting
2. Waiting Underground
3. Whirl Away
4. 1959
5. Spell
6. Don’t Say Nothing
7. Dead City
8. Blue Poles
9. Death Singing
10. Memento Mori
11. Last Call